公開日:2024/10/25 更新日:2024/10/11
節約に興味がある人ってどんな人?利用サイトやアプリからタイプを分析
「どんな人が節約に関心を持っているの?」と疑問に思っている人もいらっしゃるのではないでしょうか。今回の分析では、節約に関心がある人は比較的若い人が多く、保有資産も多い傾向にあるとわかりました。
さらに、理想の将来像や自分らしさを大切にしたいという価値観を持っている人が多いようです。また、家計簿をつけたり資産を管理したりする意識も強いとわかりました。
本記事では節約に関心がある人の属性や価値観を掘り下げてご紹介します。「節約についてもっと知りたい」という人は、ぜひご覧ください。
節約の目的や内容は人によりさまざま
「将来のため」「物価高の対策のため」など、節約をする目的はさまざまです。節約をして浮いたお金を投資に回し、資産形成に役立てたいと考えている人もいるでしょう。
また、家庭により節約ができる項目も変わります。小さい子どもがいたり、ペットを飼っていたりする家庭では、電気代の節約は難しいでしょう。一方、育ち盛りの中高生がいる家庭では食費の節約は難しいかもしれません。
節約をする目的や内容は、人や家庭により異なります。しかし「節約」のために、むだを省いたり工夫をしたりする人がどのような価値観を持ち、なにを意識しているのかは気になるのではないでしょうか。
そこで今回は、Uvoiceでご提供いただいたデータを用いて節約に関心がある人の属性や価値観の傾向を分析しました。
節約に関心を持つのはどんな人?
キーワード「節約」を含む検索をした人を節約関心者として、属性を分析しました。まずは、ユーザー属性についてみていきましょう。
節約関心者を男女で比較すると、女性のほうが多いとわかります。「【お金の管理は夫?妻?それぞれのメリットデメリットは?】既婚男女500人アンケート調査」によると、お金のおもな管理者は妻が48.0%、夫が20.8%という結果でした。家計を管理する割合の高い女性のほうが「節約」に関心を持っているといえるでしょう。
次に年代です。30代の関心がもっとも高く、20代、40代と続きます。年齢の高い人よりも、若い人の関心が高いようです。20代、30代は、結婚・出産などでライフスタイルが変わるため、お金や節約を意識する機会が多いのかもしれません。
世帯年収でみると、400〜500万円未満の層が節約にもっとも関心を持っているとわかります。また、世帯年収が500万円以上の割合でも、インターネット人口全体を上回る結果です。世帯年収が低いために節約に関心を持つわけではなく、高い世帯でもお金の使い方を意識していることがうかがえます。
保有資産をみると、節約関心者は約694万円、インターネット人口全体は約546万円と、約150万円の差があります。節約をした結果、保有資産を増やせているとも考えられるでしょう。保有資産が150万円も多ければ、安心感や余裕が生まれると感じる人もいるのではないでしょうか。具体的な節約方法の調べ方は「節約に関してどんなキーワードやアプリから情報を収集しているの?」で解説するため、ぜひご覧ください。
節約関心者のユーザー属性をみると、比較的若い人の割合が高いとわかりました。また、世帯年収や保有資産が多い人でも節約に関心を持つ傾向があるようです。日々の生活で節約を意識し、余剰資金を使って積極的に資産運用をしているとも考えられるでしょう。
節約に関心を持つ人はどんな価値観を大事にしているの?
節約関心者の価値観を掘り下げるために、以下の6つの項目についてレーダーチャートを作成しました。
- 自己実現
- 社交性
- 地位・ステータス
- 安心・平穏
- 奉仕心
- 楽観性
インターネット人口全体と比較すると、とくに「地位・ステータス」を求める傾向にあるとわかります。また「自己実現」への関心も高いようです。具体的には、以下のような感情があげられます。
- ブランド品を持つことに憧れを感じる
- 社会的に高い地位を得たい
- 自分らしさを大切にしたい
- 将来への期待と熱意を抱いている
憧れのブランド品や自分の理想の将来があり、自分らしさを求めたり目標を達成したりしたい気持ちが強いといえるでしょう。
次に、ありたい自分像を分析するため、以下の5つの項目についてレーダーチャートを作成しました。
- 個人的成長と充実
- 自由主義
- 社会的地位と評価
- 社会や環境貢献
- 心身の健康と安定
インターネット人口全体と比較すると「社会的地位と評価」「個人的成長と充実」が高い傾向にあります。具体的な感情は、以下のとおりです。
- 日々新しいことに挑戦したい
- ワンランク上の生活をしたい
- 刺激や感動のある生活をしたい
- 趣味や興味があることを中心とした生活をしたい
新しいことへの挑戦や、生活の質の向上を目指したいという気持ちがうかがえます。刺激や感動など、心が動かされる体験を重視しているともいえるでしょう。
節約関心者は、理想の将来像や自分らしさなどを重視する傾向にあるとわかります。目指したい姿があるからこそ、日々の生活では節約を心がけているのかもしれません。現在よりも未来に意識を向けているともいえるでしょう。
節約に関してどんなキーワードやアプリから情報を収集しているの?
節約関心者の具体的な節約方法を調査するため、節約の情報を収集する際に使っているキーワードや、アプリを分析しました。
キーワードには「食費」「電気代」が入っており、多くの人が生活に身近な食事や電気の節約に関心を寄せているとわかります。とくに電気代は、家計へのインパクトが大きく、意識して抑えたいと考えているのかもしれません。関連記事では、アンケート調査の結果をもとに、食費と電気代の節約について細かく分析しています。ぜひ参考にしてください。
食事に関連する「作り置き」も多くの人が調べているキーワードです。仕事で帰宅が遅くなったり、休日に遠出したりした際は、食事を用意するのが億劫という人もいるでしょう。しかし、外食をすればお金がかかり経済的な負担が増えます。
そこで活躍するのが作り置きです。通常よりも多めの量で作ったり、まとめて作って冷凍したりすれば、忙しい日の食事の準備が楽になります。「作り置き」で検索すると、さまざまなレシピが見つかり、コツや時短の工夫なども紹介されています。節約のひとつとして、楽しみながら作り置きを作っている人もいるのではないでしょうか。
「貯金」も多くの人が調べている関連キーワードです。「貯金がしたいから節約をする」という人もいるでしょう。収入を増やさずに貯金をするには、支出を減らすしかありません。支出を減らすには、食費や電気代を削減したり、外食や趣味などを抑えたりする工夫が必要です。「貯金」を増やすための節約方法を調べる人が多く、キーワードに入っていると考えられるでしょう。
【関連】みんなは何の節約に興味がある?注目は食費と電気代
【関連】43,542人に聞く!みんなが取り組んでいる節約方法は?【光熱費・食費編】
節約関心者が使っているアプリには、家計簿や資産管理ツールがあります。家計簿をしっかりとつけたり、資産を管理したりする人が多いと考えられるでしょう。
家計簿アプリでは「家計簿Zaim」「らくな家計簿」「マネーフォワード ME」などがあげられます。
家計簿Zaimは、スマートフォンのカメラでレシートを撮影したり、銀行やクレジットカードを連携したりするだけで家計簿をつけられます。また、溜まったデータはグラフ化されるため、家計の分析も可能です。
らくな家計簿は、収支管理はもちろん、写真を保存したり予算設定をしたりしながら家計を見える化できます。有料プランと無料プランがありますが、家計簿の利用であれば、無料プラン内でも問題なく使えるでしょう。
マネーフォワード MEは、家計簿と資産が一元管理できます。日々のお金の出入りだけでなく、銀行口座の残高やクレジットカードの利用額などもまとめて確認できます。資産状況の分析もできるため、家計の改善にも役立つでしょう。
「配当管理」「かんたん積立アプリ」は資産管理に役立つアプリです。
配当管理は、保有している株の配当を管理したり、ポートフォリオを検討したりする際に使えます。日本株・投資信託(日本)・米国株に対応しており、毎月の配当金額をグラフにして表示できます。
かんたん積立アプリは、SBI証券の投資信託の積立に使えるアプリです。ファンドの損益や残高推移を画面から確認したり、Webサイトで設定した内容の変更をしたりできます。ファンドの組み合わせ診断もあり、投資信託初心者でも利用しやすいアプリです。
アプリの利用状況をみると、節約関心者は家計簿をしっかりとつけたり、資産形成や管理に力を入れたりする傾向にあるといえるでしょう。
まとめ
分析結果をもとに、節約に興味がある人の属性や価値観を分析しました。節約に関心があるのは、比較的若い人や保有資産が多い人とわかりました。
価値観は「地位・ステータス」「自己成長」「社会的地位と評価」「個人的成長と充実」などがポイントです。節約を通して、自分らしさや理想を目指したいという姿勢を持っていると考えられるでしょう。
節約に関連するキーワードには「食費」「電気代」があります。「貯金」「作り置き」なども関連するキーワードでした。日々の生活に欠かせない食事や電気を節約したいという意向がうかがえます。貯金のために節約をしているとも考えられるでしょう。
アプリでは、家計簿や資産管理ツールの利用が多くみられました。しっかりと収支や資産を管理していると考えられます。また、投資信託の積立アプリがランクインしており、資産形成のひとつとして投資への関心も高いと推察できます。
「節約」と聞くと「むだを省く」「我慢する」などネガティブなイメージがあるかもしれません。しかし、今回の分析結果から、節約に関心がある人は「自分らしさや自己実現を大切にする」という価値観を持っているとわかりました。
節約は「お金がないから」とネガティブに取り組むものではなく、理想を叶えるためのひとつの手段だといえるでしょう。
重兼千春
Webライター。転職、キャリア、美容、不動産、金融ジャンルの記事を執筆中。新卒からシステムエンジニアとして働いていました。ライティングにおいては、わかりやすい文章を書くことはもちろん、どこかくすっと笑えるような、読み手が温かい気持ちになれる記事を書くことを心がけています。
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