公開日:2025/05/30 更新日:2025/05/21
直近3か年の「節約」検索者を詳しく調査!節約対象に違いってあるの?

「ここ数年、ずっと節約を意識している」という方も多いのではないでしょうか?
今回は、直近3か年の「節約」検索者の属性や、注目キーワードなどを分析しました。「節約」検索者の属性に大きな変化は見られませんが、節約対象には違いが見られます。また、男女による違いもあるようです。
本記事では、直近3か年の「節約」検索者の属性の変化や、注目されたワードなどをご紹介します。「節約に関心がある」という方は、ぜひご覧ください。
「節約」検索者の属性に変化はなし
直近3か年の「節約」検索者について調査しました。
まずは性別です。3か年で男女の割合に大きな変化はありません。男性が約4割、女性が約6割と、女性のほうが関心が高い傾向にあります。

期間:2022年4月~2023年3月

期間:2023年4月~2024年3月

期間:2024年4月~2025年3月
次に年代です。年代にも大きな変化はなく、30代をピークに右肩下がりです。出産や育児など、ライフイベントを経験する方が多い20代〜30代は、家計への関心が高いといえるでしょう。

期間:2022年4月~2023年3月

期間:2023年4月~2024年3月

期間:2024年4月~2025年3月
節約対象は年によって異なる
次に、節約対象の変化を調べるために、掛け合わせワードを調査しました。
2022年4月〜と2023年4月〜の1位は「電気代」ですが、2024年4月〜は「食費」に変わっています。それぞれ詳しくみていきます。
2022年4月〜は「電気代」への関心が極めて高い
2022年4月〜は、ほかの年と比較しても「電気代」の検索量が突出して多いことがわかります。2022年は、世界的な燃料価格の高騰により、電気代が跳ね上がったことが話題になった年です。
ロシアのウクライナ侵攻にともなう禁輸措置や、新興国のエネルギー需要の高まり、為替などの影響を受けて、燃料の輸入価格が高騰しました。「電気代が高すぎてびっくりした」「電気使用量は変わっていないのに……」など、電気代の高騰が記憶に新しい方も多いのではないでしょうか?
「電気代」に関連して「電気」「光熱費」なども20位以内にランクインしています。

期間:2022年4月~2023年3月

期間:2022年4月~2023年3月
2023年4月〜「スマホ」「iPhone」が上位にランクイン
2023年4月〜は「スマホ」「バッテリー」「iPhone」が上位にランクインしています。2023年は、携帯各社が新料金プランを多数発表した年でした。
たとえば、NTTドコモは、データ利用量が少なく、料金をおさえたい方に向けた料金プラン「irumo(イルモ)」の提供をはじめました。なお、新たな料金プランの提供にともない、2025年6月4日(水)をもってirumoの新規受付は終了する予定です。
総務省では、携帯電話市場の公正な競争環境を整備するために、2019年よりさまざまな取り組みを行っています。結果的に、携帯各社の電話料金の低額化が進んでいるようです。
総務省は「携帯電話ポータルサイト」を開設しています。料金プランの見直しや、他社への乗り換えを検討する方に向けた情報を提供しているため、気になる方は、ぜひ確認してみてください。

期間:2023年4月~2024年3月

期間:2023年4月~2024年3月
2024年4月〜は「食費」への注目度が高まる
2024年4月〜は「食費」に関連する「レシピ」「お弁当」「パスタ」などの検索者が増加しています。
食料関連の検索者数の増加は、物価高による影響が大きいと考えられるでしょう。原材料・エネルギー価格の上昇や、急激な円安などを背景に、物価高が続いています。
総務省が2025年4月25日(金)に発表した調査によると、東京23区の2025年4月の消費者物価指数は、天候による変動の大きい生鮮食品を除いた指標で、2024年4月よりも3.4%上昇しています。
食費を下げるために、外食を減らしてお弁当を持参しようとレシピを調べる方や、お米に代わる主食として、パスタを使おうと考える方が増えたといえるでしょう。電気代は過去2か年と変わらず上位にランクインしているものの、直近1年の関心ごとは、食費にあると考えられます。

期間:2024年4月~2025年3月

期間:2024年4月~2025年3月
節約対象は男女による違いがある
性別・年代別で、節約項目に違いがあるのかを調査しました。
全体的に見ると、若年層の女性が節約への関心が高いことがわかります。とくに食費に関わる項目に注目しているようです。

期間:2024年4月~2025年3月
以下は、若年層の女性のマップを拡大した画像です。

期間:2024年4月~2025年3月
検索者数が多いワードには「レシピ」「電気代」「食費」などがあげられます。「一人暮らし」で節約を意識している方も多いようです。
「作り置き」「弁当」「業務スーパー」などのワードが含まれることから、食費を節約するために工夫する様子がうかがえます。業務スーパーなどで安く購入し、作り置きやお弁当を作り、外食を減らす傾向にあるといえるでしょう。
「ブログ」や「YouTube」も検索されています。「節約 ブログ」でGoogle検索すると、アメブロなどで、節約情報を発信する個人ブログがヒットします。節約実践者のリアルな情報を重視する方が多いのかもしれません。
食費以外には「エアコン」「温度」や「ガス代」などの光熱費に関わるワードも注目されています。専業主婦やパート、産休・育休取得中の方などは、働いて収入を増やすハードルが高いでしょう。そのため、暮らし全般で節約を心がけ、支出を減らす努力をしているとも考えられます。
一方、以下は、若年層の男性のマップを拡大した画像です。

期間:2024年4月~2025年3月
「iPhone」「通信量」「メモリ」など、スマートフォン関連のワードが検索されています。
「くらま」さん「ふゆこ」さんは、節約家として知られており、若くして借金や奨学金を返済し、1,000万円以上の貯金を達成した経験のある方です。YouTubeやブログなどで節約情報を発信しており、多くの方の心を掴んでいるのかもしれません。
お二人とも節約だけではなく、NISAやiDeCoなどの投資に関する情報も発信しています。節約して資産運用に活かしたいと考える方が多いといえるでしょう。支出を減らす意識の強い女性とは異なり、男性は資産を増やす意識が強いのかもしれません。
食費の節約術5選
直近1年で食費の節約が注目されていることから、簡単に取り組める食費の節約術を5つご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
3日に1回程度のまとめ買いをする
3日に1回程度のまとめ買いをすると、買い物に行く頻度を減らせるため、節約になります。「スーパーに行くたびに、必要ないものまで買ってしまう」というリスクをおさえられます。
ただし、買い物に行く頻度を減らせるからといって「1週間に1回」と期間を長くするのは避けたほうが良いでしょう。とくに慣れないうちは、まとめ買いをしすぎると、食材を余らせかねません。まずは、3日に1回程度のペースからはじめて、自分に合う頻度を見つけるのがおすすめです。
プライベートブランドの商品を買う
プライベートブランドの商品は、比較的安価で買えます。プライベートブランドは、会社独自のブランドで、卸売業者へのマージンや広告費がかからず、安価な価格設定が実現しています。
たとえば、セブン&アイ・ホールディングスの「セブンプレミアム」や、イオンの「TOPVALU(トップバリュ)」などは、プライベートブランドです。大手メーカーの商品と比べても、遜色ありません。とくに単価が高い調味料や冷凍食品などは、プライベートブランドに変えるだけで節約になるでしょう。
支払い方法を工夫する
支払い方法を工夫するのも、節約にとって重要です。たとえば、現金ではなく、ポイント還元があるクレジットカードや、電子マネーを使うだけで、実質的に節約できます。スマートフォンの決済アプリでもお得なキャンペーンがあるため、うまく活用するとコツコツとポイントを貯められます。
ポイントを無駄にしないために「1,000ポイント貯まったら使う」「10,000円以上の買い物時に使う」など、使うタイミングや目的を決めておくのもおすすめです。現金にこだわらず、自分に合ったお得な支払いスタイルを見つけてみてください。
レシピ通りに完璧に作ろうとしない
レシピに書いてある材料を全部そろえようとすると、食費がかさみます。「レシピの材料はシーズンオフで高い!」「指定の調味料は、ほかの料理では使いづらい」などの場合は、代用したり、あるものでアレンジしたりすれば、食費をおさえられます。
たとえば「ナンプラー 代用」などで検索すると、代用レシピが出てきます。レシピを完璧に再現しようとせず、冷蔵庫の残り物を上手に使うと、食品ロスも防げて一石二鳥です。
余った食材は冷凍する
食材を中途半端に余らせると、気づかないうちに傷めてしまうため、冷凍するのがおすすめです。野菜ならカットして保存袋に入れ、肉や魚を小分けにしておけば、使いたいときにさっと使えて、調理の手間も減らせます。冷凍すれば、まとめ買いをしても食材を無駄にすることがないため、食費の節約になるでしょう。
保存袋に日付を書いておけば、優先的に使うべき食品が一目でわかります。食費を節約しながら、調理の手間も省けるため、忙しい方にもぴったりの方法です。
【関連】一人暮らしの食費は平均いくら?自炊のコツや節約術を紹介
まとめ
調査結果をもとに直近3か年の「節約」検索者の属性や、注目キーワードなどを分析しました。
直近3か年で「節約」検索者の属性に変化は見られませんでしたが、注目キーワードは、世相を反映して違いがあることがわかりました。
2022年4月〜は、燃料の輸入価格が高騰し、電気代が上昇したことから「電気代」「光熱費」などが注目されていました。2023年4月〜は、携帯各社の電話料金の低額化を背景に「スマホ」「iPhone」が上位にランクインしています。
2024年4月は、原材料・エネルギー価格の高騰が影響し、物価高が続いていることから「食費」「レシピ」などが注目されています。また、価格が高止まりしているお米の代用として「パスタ」も注目キーワードです。
3か年の比較結果から、電気代や食費は常に節約対象として意識されており、今後も同じ傾向が続くと考えられます。しかし、社会の変化にともない、注目キーワードには違いが見られるでしょう。

重兼千春
Webライター。転職、キャリア、美容、不動産、金融ジャンルの記事を執筆中。新卒からシステムエンジニアとして働いていました。ライティングにおいては、わかりやすい文章を書くことはもちろん、どこかくすっと笑えるような、読み手が温かい気持ちになれる記事を書くことを心がけています。
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