公開日:2025/01/24 更新日:2025/01/20
会社員が副業バイトを始める際の注意点は?確定申告や押さえるべき部分を紹介

正社員の副業は法律で禁止されていませんが、始める前に注意点を押さえることが大切です。副業を始める際は、会社の就業規則を確認し、本業に支障が出ないよう労働時間に気をつけましょう。
また、副業の年収が20万円を超える場合は確定申告が必要です。副業の注意点を理解し、適切に管理することで、安心して副業に取り組めます。
本記事では、正社員が副業を始める際の注意点やおすすめの副業について詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
そもそも正社員は副業しても大丈夫?

正社員の副業は法律で禁止されていませんが、副業が制限されているケースもあります。以下で詳しく見ていきましょう。
基本的に正社員の副業は法律で禁止されていない
正社員の副業について、法律上の制限は設けられていません。むしろ、厚生労働省は「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を策定し、副業を推進する立場を取っています。これは、働き方改革の一環として、個人の所得向上や能力開発の機会を広げる狙いがあるためです。
ただし、副業を始める際の注意点として、本業に支障を来たさない範囲で行うことが大切です。正社員の副業は、適切な管理と計画のもとで行えば、収入アップや新しいスキル習得につながるよい機会となるでしょう。
副業開始前には、労働時間や健康管理などの注意点を把握しておくことをおすすめします。
参考:厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」
公務員の副業は制限されている
公務員の副業については民間企業の社員とは異なり、厳格な制限が設けられています。国家公務員法と地方公務員法では、営利企業の経営や報酬を伴う事業への従事が原則として禁止されているためです。
地方公務員の場合には、所属する自治体独自の規定も存在します。職員服務規程により、副業する際には事前の許可申請が必要となる場合があります。
公務員が副業を検討する際の注意点として、本業への影響がないことはもちろん、収入規模や活動内容が適切な範囲に収まっているかどうかを慎重に判断しなければなりません。
不明な点がある場合は、必ず所属組織の担当部署に確認してください。
【関連】公務員でも挑戦できる副業10選!取り組む際の注意点も解説
就業規則によって副業を禁止しているケースもある
企業によっては、就業規則で本業以外の仕事に従事することを制限しています。特に自社の業務と競合する可能性がある副業や、会社の信用を損なうような副業は禁止されているケースが一般的です。
就業規則に明確な規定がない場合でも、副業による不要なトラブルを避けるために事前に人事部門へ相談したり、就業規則を確認したりすることが賢明でしょう。その上で、許可される副業の範囲を把握し、適切な形で始めてください。
正社員が副業する際に知っておきたい確定申告のポイント

正社員が副業する際に知っておきたい確定申告のポイントは、以下の2点です。
- 年末調整は勤め先で行う
- 副業の年収が20万円を超える場合は確定申告を行う
以下で詳しく見ていきましょう。
年末調整は勤め先で行う
給与所得を2カ所以上から得ている場合、年末調整するのは1カ所の会社に限られています。
収入の多い本業の会社で年末調整するのが原則です。年末になると両方の会社から年末調整の書類を受け取りますが、副業先の分は必要に応じて確定申告で対応する必要があります。
年末調整の際には「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」や「給与所得者の保険料控除申告書」などの書類を提出することになります。
副業している人は、これらの書類を主たる勤務先にのみ提出し、適切に年末調整を受けることが重要です。
副業の年収が20万円を超える場合は確定申告を行う
給与所得がある人が副業を始めた場合、副業の年間所得が20万円を超えると確定申告が必須です。副業の収入は通常「雑所得」として扱われ、収入から必要経費を差し引いた金額が所得となります。
たとえ副業の所得が20万円以下でも、住民税については金額に関係なく申告が求められます。この場合、所得税の確定申告は不要ですが、居住地の市区町村の窓口に住民税の申告書を提出しなくてはなりません。
副業を始める際に税務上の手続きを把握しておくことで、後々のトラブルを回避できるでしょう。不明な点がある場合は、税理士に相談することをおすすめします。
副業が勤め先にバレる原因

副業していることが会社に知られる主な原因として、以下の3つが挙げられます。
- 社会保険
- 雇用保険
- 住民税
他にも、勤務先の仲間に話してしまうことも原因の1つです。以下で詳しく見ていきます。
社会保険
副業を本業の会社に知られたくない場合、社会保険の加入が必要となる副業は避けるべきでしょう。副業で社会保険に加入すると、その情報が本業の会社に伝わってしまう可能性が高いためです。
社会保険への加入が必要となるのは、以下の条件を全て満たす場合です。
- 週20時間以上の勤務であること
- 2カ月以上の継続雇用が見込まれること
- 所定内賃金が月額8万8,000円以上あること
- 学生でないこと
上記の条件に該当する副業を選んでしまうと、社会保険の手続きを通じて本業の会社に副業が発覚するリスクが高まります。副業を秘密にしておきたい場合は、これらの条件に当てはまらない働き方を選ぶことが賢明です。
雇用保険
雇用保険については、パートやアルバイトでも一定の条件を満たせば加入が必要です。
具体的な加入条件は以下の3つです。
- 週20時間以上の勤務時間があること
- 31日以上の雇用見込みがあること
- 学生でないこと
副業で上記の条件を満たす場合でも、雇用保険は本業と副業の両方には加入できません。複数の仕事で条件を満たしている場合、給与の高い方の職場に加入することになります。
この仕組みは、副業している事実が本業の会社に知られる可能性がある要因の1つとなっています。副業を秘密にしておきたい場合は、フリーランスや業務委託などの形態で働けば心配いりません。
住民税
副業を始めると住民税の徴収方法が変わる可能性があることも、会社に副業を知られる原因の1つです。
通常、会社員の住民税は給与から天引きされる特別徴収が適用されますが、副業収入がある場合、普通徴収に切り替わるケースがあります。
この問題を回避するには、確定申告の際に住民税の徴収方法を普通徴収に指定することが有効です。普通徴収を選択すると、副業分の住民税は自身で納付することになり、会社は把握できなくなります。
ただし、地域によっては普通徴収への変更が難しい場合もあるため、居住地の自治体のルールを確認しておきましょう。
初めて副業するときの注意点

初めての副業の主な注意点は、以下の3つが挙げられます。
- 労働時間など本業に支障が出ない範囲で行う
- 確定申告に関する知識をつけておく
- 翌年の住民税に備える
詳しく見ていきましょう。
労働時間など本業に支障が出ない範囲で行う
副業を始める際は、本業に支障が出ないよう労働時間を適切に管理することが重要です。副業経験者の多くは、「無理をしないでできる範囲で働く」か「プライベートや睡眠時間を調整して時間をつくる」傾向にあります。
本業の勤務形態によっては、副業の時間確保が難しい場合もあるでしょう。特に残業が多い職場では、副業に充てる時間を見つけるのに苦労するかもしれません。睡眠時間を削ると本業のパフォーマンスに影響を与えたり、健康を害したりする恐れもあります。
本業と副業のバランスを取りながら、無理のない範囲で副業に取り組んでください。
確定申告に関する知識をつけておく
副業を始めると、確定申告の知識が必要不可欠になります。本業で年末調整を受けている会社員でも、副業収入がある場合は自身で確定申告しなければならないケースがあるでしょう。
確定申告を怠ると、無申告加算税や延滞税などのペナルティーを科される可能性があります。一方で確定申告をすれば、払い過ぎた税金の還付を受けられるかもしれません。
確定申告の際は、収入や経費に関する書類、本業の源泉徴収票などの準備が必要です。副業を始める前に、確定申告の基本的な知識や手順を理解しておきましょう。
翌年の住民税に備える
副業を始めると翌年の住民税が増えるケースがあるため、事前に備えておくことが大切です。
住民税は前年の所得に基づいて計算され、本業と副業の収入を合算した金額が課税対象となります。副業によって住民税額が増加し、手取り収入に影響を及ぼす可能性もあるでしょう。
また、ふるさと納税やiDeCo(個人型確定拠出年金)などの制度を活用すれば、課税所得を減らし、住民税の負担軽減が可能です。副業による収入増加を見越し、適切な対策を講じておくことで、翌年の負担を抑えられます。
正社員におすすめの副業

ここでは、正社員におすすめの副業として以下の5つを紹介します。
- ポイ活
- データ入力
- ハンドメイド
- 動画編集やSNS運用
- フリマサイト
詳しく見ていきましょう。
ポイ活
ポイ活は、日常生活の中で効率的にポイントを貯める活動です。クレジットカードの利用やネットショッピング、アンケート回答、アプリのダウンロードなど、さまざまな方法でポイントを獲得できます。
ポイ活はスマートフォンを使って手軽に始められるため、副業の時間が限られている人にも適しているでしょう。ポイ活サービスの中には、行動データの提供だけで簡単にポイントを貯められるものもあります。
貯めたポイントは、現金や商品券、電子マネーに交換したり、商品購入時に利用したりできます。
ポイ活では、無理なくスキマ時間に効果的にポイントを貯めることを心がけることが大切です。
データ入力
データ入力は、在宅副業の定番として人気があります。パソコンさえあれば、特別なスキルがなくても始められるのが魅力です。
主な作業は、指定された情報をExcelやWordなどに入力することです。クラウドソーシングサイトで多くの案件が見つかり、自分のペースで作業できます。ただし、効率よく稼ぐには、ある程度のタイピング速度が求められます。正確性と速度が重視されるため、集中力も必要です。
初心者でも始めやすい反面、単価が低いのがデメリットです。
作業量に応じて収入を得られる点では、副業の選択肢の1つといえるでしょう。
ハンドメイド
クリエーティブな趣味を収入源にできるハンドメイド作品の販売は、魅力的な副業の1つです。アクセサリーや雑貨、子ども向けグッズなど、手づくり作品を専門のオンラインマーケットで販売することで、自宅にいながら収入を得られるのが特徴です。
スマートフォンで作品を撮影し、商品説明を添えるだけで簡単に出品できるため、普段からものづくりを楽しんでいる方にとっては趣味を生かした副業となるでしょう。
ただし、販売サイトへの手数料や材料費などの経費も考慮に入れる必要があります。また、作品の品質管理や納期管理など、販売者としての責任も伴います。
動画編集やSNS運用
スキル型の副業として、動画編集やSNS運用が注目を集めています。特に動画編集は、YouTubeの普及に伴って需要が高まっている分野です。ただし、質の高い編集作業には専門的な知識などが必要となり、参入へのハードルは決して低くありません。
SNS運用代行は、企業のSNSアカウントの管理や投稿、フォロワーとの対話、効果測定などが主な仕事内容です。ただし、この分野は競争が激しく、安定した収入を得るまでには時間がかかることも多いでしょう。
SNS運用代行に必要なのは、SNSに関する深い理解とコミュニケーション力、基礎的なマーケティング知識です。
フリマサイト
フリマサイトの副業は、始めやすい手軽さが特徴です。自宅で眠っている不用品を出品することから始めて、徐々に仕入れた商品を販売するなど、自分のペースで規模を拡大できます。
安定した収入を得るためには、商品の需要を見極める目や、魅力的な写真撮影のテクニック、適正な価格設定などのノウハウが必要になってきます。梱包や発送作業にも手間がかかるため、効率的な作業の仕組みづくりも大切なポイントです。
比較的初期投資が少なめで、自由に価格設定できる点は魅力的ですが、取引でのトラブルや商品の品質管理には十分な注意が必要です。
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まとめ

副業を始める際は、自社の就業規則を確認することから始めましょう。副業は、法律上禁止されていませんが、会社によっては制限があるためです。
また副業する際には、本業に支障が出ないよう労働時間の管理を徹底し、確定申告や住民税の扱いについても事前に理解を深めておく必要があります。
初めての副業としては、ポイ活やデータ入力、ハンドメイド作品の販売など、自分のスキルや生活スタイルに合わせて選択できます。
副業は無理のない範囲で始め、徐々に経験を積んでいくことが長続きするポイントです。

Uvoice編集部
ポイ活サービス「Uvoice」「Uvoiceブラウザ」を運営する株式会社ヴァリューズのUvoice編集部です。お得に暮らすヒントをご紹介します。
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